作品の著作権について
引用でいいんじゃないかと思うのになぜ著作権欲しがるのかな? (翠風)
なぜ著作権を取り上げようとするのか疑問でしたので、『枡野浩一のかんたん短歌blog』に、「とりあげた作品の著作権は、枡野浩一に帰属するものとします。」と書かれていることについて、私はこう解釈して投稿しました。
著作者人格権(公表権・同一性保持権・氏名表示権)はあくまで、作品を作った本人のもの。改作されない権利、別の人の名前がつけられる等、望まない公表のされ方で公表されない権利といったものは保持したいと思います。
ただ、枡野浩一氏の著作物に引用して使用したときの収益は枡野浩一氏が得てかまわない。ということと解釈しましたが、いかがでしょうか?
引用ではなく、なぜ著作権まで要求しているのでしょうか?
どなたか教えてください。
(ええと、変な話で恐縮なのですが、選者による補作、改作というのに、私は反対なのです。)
The comments to this entry are closed.
Comments
そうお考えになる方も当然いらっしゃるでしょう。
そういう方は、参加されないことをおすすめします。
それはあなたの自由です。
*
拙著『かんたん短歌の作り方』(筑摩書房)も、
同様のルールで投稿を募りました。
*
たとえば「ほぼ日刊イトイ新聞」には、
このようなことが明記されています。
http://www.1101.com/concierge/interface.html#copyright">http://www.1101.com/concierge/interface.html#copyright
*
あるいは、
佐藤真由美さんが選考委員であるコンテストでは、
このように明記されています。
http://www.s-woman.net/tanka/">http://www.s-woman.net/tanka/
*
詩歌のコンテストにおいて、
「著作権は主催者に帰属します」
というルールは珍しいものではありません。
*
私は作詞の仕事もしていますが、
作詞作品の著作権も大抵は、
権利を管理する会社に「譲渡」するのです。
*
短歌は、
残念ながら「譲渡」の対象となるほど、
お金を稼がないものなので、
私はあのようなルールを提示した上で、
作品を募っています。
*
《とりあげた作品の著作権は、枡野浩一に帰属するものとします。将来、ココログの連載をもとに何らかの単行本をつくる可能性もあります。その単行本が大ヒットし、枡野浩一が大儲けしても勘弁。
ただし、万一その人が単独で作品集を商業出版することになったりした場合は、作者本人に印税が支払われるよう配慮しますのでご安心ください。そのほか(めったにないことですが)、短歌が広告につかわれるなどして利益を生んだ場合も、同様に配慮します。また、枡野浩一にとりあげられた短歌を自費出版の作品集に収録したいという場合は、ご自由にどうぞ。》
という私の考えた条件は、
短歌の作り手にとって、
そんなにも不利な条件でしょうか。
もし「不利」と思われるのでしたら、
どう改善したら納得されるのか、
おしえていただけると幸いです。
*
「枡野浩一がとりあげた作品」以外の作品の、
著作権はもちろんご本人に帰属したままです。
*
私の短歌指導のやり方を、
まだご存じないから不安に思われているのかもしれません。
私は「添削」を信じていません。
作者本人が最後まで仕上げない作品は、
その作者の作品ではないと考えます。
*
ちなみに拙著『かんたん短歌の作り方』(筑摩書房)の、
「作品集」のところに短歌を発表してくれた
佐藤真由美さん加藤千恵さん天野慶さん脇川飛鳥さんらには、
私が自らの印税を減らす形で、
原稿料をお支払いしています。
そのような「配慮」は今後も、
当然していくつもりです。
*
著作権に関しては、
ほかの方からも疑問の声があがっていましたけれど、
こちらでお返事することで、
ご勘弁ください。
Posted by: 枡野浩一 | 2004.04.06 12:02 AM
ご丁寧なお返事をありがとうございました。
「ほぼ日刊イトイ新聞」のリンクにあるような表記がなされていた場合、私はたぶん、投稿しません。
佐藤真由美さんが選考委員であるコンテストについての明記されているものは著作者人格権はあくまで、作品を作った本人のもの。著作権(財産権)のみが集英社に譲られるものと思えます。この場合、私は安心して投稿します。
後者と解釈させていただいてよろしいでしょうか?
それから、著作権を与えてしまうと、たとえば、『枡野浩一のかんたん短歌blog』にとりあげられた作品、などと書きたくても、もう一度自分のblogやホームページやらに乗せられなくさえなってしまうので、自費出版についてばかりではなく、そういった公表および、例えての話ですが、万一商業出版されることになった際に、許可を得なくてはならなくなるということになるということをも、許可を得ず出版していい、といったことまで明記していただければ、すべての人に、さらに納得のいくものとなると思います。
細かいことで申し訳ないのですが、それだけ自分の作品は大切にしたいと思っておりますので、こだわりをお許しください。
Posted by: 翠風 | 2004.04.06 01:18 AM
ルールは、
私がすでに提示してある「お約束」が基本形です。
それ以上のことは、
実際に何らかの事態に直面した場合に、
相談して決めるしかないと思います。
どんなことが起こるか、
まだわかってもいないのですから。
ただ私は、
自分が作り手である経験上、
作り手の権利は守りたいと常に考えてきました。
そういう枡野浩一の態度を、
『かんたん短歌の作り方』(筑摩書房)などを見て、
信頼していただくしかありません。
そこをまず信頼できない方には、
無理に参加していただかないほうが、
正直こちらも気が楽です。
*
ウェブに自作短歌を発表するのは自由でしょう。
第三者が短歌を「引用」して論評したりすることも、
いちいち制限するつもりはありません。
ただし、
枡野浩一がとりあげた作品を商業出版する場合や、
枡野浩一がとりあげた作品を商業的に利用する場合、
枡野浩一に許可をとらずに……というのは、
もちろんご遠慮いただきたいと思います。
その旨は、明記したつもりです。
*
自作の著作権をすべて自分で管理したいという方は、
ご自身のホームページなどで作品を発表していく道を
探ってみてはいかがでしょう。
Posted by: 枡野浩一 | 2004.04.06 02:13 AM
追伸。
ところで、
「新聞社でも出版社でもなく、
枡野浩一という一個人がやっている」
http://watcher.moe-nifty.com/memo/2004/04/__3.html">http://watcher.moe-nifty.com/memo/2004/04/__3.html
ということについて、
この場をお借りしてご説明しておきます。
*
『かんたん短歌の作り方』(筑摩書房)は、
宝島社の雑誌「キューティ・コミック」で連載されましたが、
同誌は休刊され、
単行本は筑摩書房から出ました。
もしも、
投稿作品の著作権を(枡野浩一個人ではなく)
雑誌や出版社に帰属するルールにしていたら、
あの連載は単行本にできなかったかもしれません。
*
そういう経験をふまえて、
「お約束」を書きました。
*
『かんたん短歌の作り方』(筑摩書房)は
増刷を重ねていますが(現在3刷)、
正直「大儲け」というほどでは全然ないです。
非常に手間と時間とコストがかかった1冊なので。
投稿者の皆さんが怒るくらい売れてくれればいいのに。
*
詩歌の作品集は、
その9割が自費出版です。
『かんたん短歌の作り方』(筑摩書房)からデビューした、
佐藤真由美さんや加藤千恵さんの本が、
商業的に流通しているのはたいへん稀なケースです。
歌人で商業的に本を出している人は、
数えるほどしかいません。
なので私が試みているような出版活動は、
私自身が「前例」にならなければならず、
常に迷いながら進んでいます。
皆さんが疑問を呈されるのももっともですが、
「お約束」をきちんと明示してある以上、
それに納得できない人は投稿しない、
というふうにしていただくしかないでしょう。
Posted by: 枡野浩一 | 2004.04.06 03:15 PM
んと、こんにちは。
枡野さんのブログから短歌を読んでたどりつきました。
で、枡野さんの説明がえらい長くてよくわからないので、思ったこと書きます。
翠風さん、例えばラジオにハガキ投稿して読まれたからって「原稿の著作権」を叫ぶ人なんかいないですよね。
それと同じじゃないかと思いますよ。
作品を取り上げたあとで、著作権を叫ばれるかと思うと、安心して自由な選抜ができないから、決めているルールですよ。
結局、どんなルールがあろうとも、才能のある人ならその作品がプロの目についた時点で直接連絡をとって別のアクションをおこそうと考えると思います。
そういう才能ある人が出てくれば、という意味ではじめられたコンテストだと考えればよいのではないですか?
あと、枡野さんも必要以上に言い過ぎだと思います。
負かしたい気持ちはわかりますけど、自分のブログに記事作られたらいかがですか?
Posted by: sumire | 2004.04.07 01:17 AM
はじめまして。
私も短歌を読んでこのエントリーまでたどり着き、枡野さんのコメントも拝見させていただきました。
私は翠風さんのおっしゃることを否定する気はありません、ご自分の意見として正しいと思うし理解できます。
それと、枡野さんは必要以上に言い過ぎでも負かそうという気持ちでもなく、ご自分の気持ちをできるだけ正しく相手に伝えたいと、そう思っていらっしゃるだけだと思いますし、そのためつい長くなってしまうんだと思うんです。
その点で私にも分かりやすいですし、その点はとっても共感できます。
もちろん、短歌のように短い文章で意見が説明できれば一番だと思いますが(^^ その場合は読者にも読み取る力が求められてしまうんでしょうね。
すみません、失礼いたしました。
Posted by: 7thHeaven | 2004.04.07 01:45 AM
枡野浩一さま、sumireさま、7thHeavenさま、コメントをどうもありがとうございます。
私はのんびりした人間です。争い事は好まないし、著作権(財産権)についての主催者帰属についても文句があるわけではないのです。
ただ、本来他者に譲り渡すことのできないはずの著作者人格権(公表権・同一性保持権・氏名表示権)が守られる。つまり、選者によって改作・補作されたものを私の作品として発表されたり、翠風という名前がふさわしくないからと氏名らしい名前に変えて発表されたりといったことは最低ふせぎたい。それだけのことなんです。
そのためには、せっかくwebを使うのだし、引用で使えば十分なのではないかと思っただけです。せっかく新しいメディアを使って新しいことをしようというのですから、新しいルールもいいのではないかと。今回は、ルールを定めている氏が、著作権(財産権)の枡野浩一氏個人への帰属にしたいというのですから、それでよろしいかと思います。
ただ、あくまで著作権(財産権)のみを譲るだけで、著作者人格権(公表権・同一性保持権・氏名表示権)は他者帰属させたくありません。
いただいたコメントから、おそらく大丈夫だろうと思いますので、さて、どんな御指導をなさるのか、楽しみにさせていただきます。
それと、下記の公衆送信権・伝達権のところをご確認ください。私の読み違えでなければ、著作権(財産権)をなくすと、たとえ自作であっても、blogやホームページに自由には載せられなくなるはずです。
http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime2.html">http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime2.html
それって、淋しいと思いませんか?
もし別の解釈があって、そこは大丈夫というのならば問題ないのですが。
ここまで書いてきて、ふと思いました。
「著作権」と書くから著作者人格権(公表権・同一性保持権・氏名表示権)と著作権(財産権)の双方を含むものとして私の不安の原因になったのではないかと。
では、失礼いたします。
Posted by: 翠風 | 2004.04.07 09:41 PM
お読みになってコメントをお残しになろうとしている方に、僭越を承知で翠風からのお願いがあります。
長文のコメントはなるべくおひかえください。
できるだけ簡潔にお願いいたします。伝えたいことが不足と思うのならば、せっかくのトラックバック機能があるのですから、ご自分のページでご意見を御展開いただければ幸いです。
Posted by: 翠風 | 2004.04.07 10:04 PM
《また、枡野浩一にとりあげられた短歌を自費出版の作品集に収録したいという場合は、ご自由にどうぞ。》
と明記しています。
それなのに、
blogやホームページに自由には載せられなくなる、
と、
わざわざ(自分に厳しく)解釈なさる必要はないのでは?
「のんびりした性格」である方なら、なおさら……。
そもそも「作者人格権」については何の言及もない、
佐藤真由美さんのコンテストには安心して投稿できる、
とおっしゃっているあなたです。
なぜ枡野浩一の「ルール」にだけ疑問を呈したのか、
私には今もわかりません。
「争い事は好まない」という方が……。
以後、
「著作権」に関するコメントは控えます。
どうしても発言する必要があったら、
自分の場所で行います。
長文の書き込み、失礼いたしました。
Posted by: 枡野浩一 | 2004.04.08 12:01 AM
「作者人格権」→「著作者人格権」と訂正します。
Posted by: 枡野浩一 | 2004.04.08 12:04 AM
http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime2.html">http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime2.html
リンク先をもういちど拝見したら、
《著作者人格権は、著作者だけが持っている権利で、譲渡したり、相続したりすることはできません。》
と明記されています。
著作者人格権は、
もともと譲渡したりできないもののようです。
つまり、
《とりあげた作品の著作権は、
枡野浩一に帰属するものとします。》
と書いてある場合の「著作権」は、
おのずと「著作者人格権」ではなく、
「財産権」をさすことになりますね。
長々と書く必要はなかったんです。
これだけで、あなたの不安は解決では?
Posted by: 枡野浩一 | 2004.04.08 12:12 AM
枡野浩一さま、たびたびのコメントをありがとうございます。そして、お疲れさまでした。
疑問を口にすることと争うこととは違います。争いごとを好まない人間でも、ときに、疑問に思うことは口にします。
選者による補作・改作での発表というのはいやだなあとか思っているところへ、書かれている内容などから、本名に見える名前をごひいきなさるし、名前にみあわない顔が、などとお書きになられているということは…もしかして、というのが大きくなってしまったようです。
あと、自分の間違いに気がついたのですが、著作者人格権(同一性保持権・氏名表示権・公表権)というのは譲るのではなく、行使するものだったのですね。
これで納得できました。
当然、(少しでも変える場合は)発表前に、各自にこれでいいですね? という確認をとってくださいますよね。
では、失礼いたします。よいblogをお作りください。
Posted by: 翠風 | 2004.04.08 03:05 PM
ひきつづき、
こちら
http://sui.air-nifty.com/kakera/2004/04/post_8.html">http://sui.air-nifty.com/kakera/2004/04/post_8.html
でお答えしています。
もちろん疑問を口にするのはご自由にどうぞ。
その疑問にお答えするのもしないのもまた私の自由なのですが、
最初ですし、
お答えすることにしました。
せっかくのトラックバック機能を、
あえてつかわないのは私なりに考えがあるからですけれども、
あなたの望むやり方とちがっていたとしたら、
すみませんでした。
Posted by: 枡野浩一 | 2004.04.10 10:14 AM