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2004.12.06

イチョウのにおい

 今年は例年になく、他界した親族や知人が多かった。今日も告別式に出席。
 異常気象で、12月というのに気温は25度を超え、夏のような入道雲まで見られる晴天での見送りとなった。
 体調不良を押して動き続けているため、帰宅後すぐに寝込む。夜中にようやく起きてこれを書いている。

 行きに、昨夜の猛烈な雨風で吹き散らされたイチョウの葉が積もった道を駅に向かったとき、強烈なイチョウのにおいがした。
 イチョウのにおいは、植物でありながら、いささか獣のにおいを感じさせる。生なにおい。
 喪服を着てそのにおいに接すると、奇妙な不調和にとらわれた。
 人の死というものを思い、故人を想いながら、生しい命のにおいにつつまれているという感触。

 葬儀場ではしゃぐ子供に感じる思いとも違う。
 より、身体感覚に近い生しさがあるように思える。

   

   黒影を黄青に包む公孫樹のにおい   翠風


   踏む足を抱いて公孫樹の黄葉青葉   翠風


   嵐夜明け公孫樹青黄に散りにおう
           告別の空風吹きやまず   翠風

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Comments

こんばんわ、翠風さん。

雨を含むと、草木の香りって本当に強いですね。
散ってなお、存在感を漂わせています。

告別の場面と、イチョウの香り。何だか自分がその場にいて、それを感じているような錯覚を覚えます。

こちらもやっと、イチョウが色づき出しました。

Posted by: つきのこ | 2004.12.10 12:05 AM

つきのこさん、こんばんは!

 前夜が嵐だったので青いまま散らされた葉もあったのが印象的でした。
 今は、すっかり黄色になりました。
 いつもならすっかり冬という時期ですが、どんなに遅くても、葉は色を変えて落ちるという時のめぐりを感じます。

Posted by: 翠風 | 2004.12.15 01:12 AM

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